ドイツビジネス情報:経済面で見るドイツの魅力

ハンブルクで水素施設の建設が相次いで決定

独大手エネルギー大手Uniper SEとエネルギーメーカーSiemens Energy AGは共同で新会社HH2eAGを設立し、ハンブルク市モーアブルク地区に次世代発電所を稼働する。産業向けに水素を提供するほか、燃料電池車への水素供給も計画されており、セクターカップリングが注目される。また水素からできるだけNOxの少ない高効率のガスタービンで発電を行い、さらに地域間熱供給と電力供給を行う予定。ハンブルク市は水素モデル都市を目指し、産業レベルの水電解施設の積極的な誘致を行っている。先月もShell、Vattenfall、三菱重工のコンソーシアムが同じモーアブルク地区に100MW以上のキャパを持つPower to Xプラントを建設することを発表したばかり。モーアブルク地区には2015年に稼働したばかりの石炭火力発電所があったが、政府の「褐炭・石炭撤退」の政策により実施された入札で同発電所が補償金を落札し、早期に停止することとなった。今回の新プロジェクトはどちらもこの跡地を利用したもので、モーアブルクは新旧エネルギー交代の象徴的な場所となりそうだ。