EUタクソノミー規制

独エネルギー業界、EUタクソノミー規制について嘆願書を提出EUでは現在、タクソノミー規制のサスティナビリティー概念を規定する技術的項目について調整が進められている。特にガス火力発電の取り扱いがエネルギー業界とEUとの間での争点となっている。業界側は石炭発電を代替するガス発電について諸条件を緩和するよう求めている。先ごろ出されたEUの改正案では、石炭発電の代替として稼働するコジェネ発電は「サスティナブル」であると認定された。業界側はこれを歓迎しつつも、この適応がEU加盟国全体ではなく一部の地域に限定されていることに意義を申し立てている。また熱抽出を実際に行わなくとも、コジェネサイクルを技術的に備えている発電所であれば、サスティナブルであるとすることを求めている。さらに系統安定のためのガス火力発電についても、サスティナブルと考えるべきとの点も挙げられている。さらにガスインフラについて「水素対応の有無(hydrogen readiness)」も評価項目に加えるべきとしている。ドイツ30社以上の民間企業とエネルギー業界の連合会が、EUタクソノミー規制のサスティナビリティ評価に関する嘆願書をまとめ、メルケル首相宛に提出した。EUタクソノミー規制はEUのグリーンディール政策の根幹をなすものである。将来的に金融投資家はそのポートフォリオについて、タクソノミーに基づきサスティナビリティーの報告をしなければならないだけでなく、出資先の事業についても同様に査定することになる。従ってどのようなエネルギーがサスティナブルと定義されるかはエネルギー業界にとって事業性を分ける非常に重要な問題である。またガス発電のCO2排出目標についても業界側は反対している。ガス火力発電では270gCO2/kWhの排出上限がサスティナブルかどうかの閾値になっているが、これをクリアしているガス発電所はない。これは最新技術を持ってようやく達成できるレベルであり、現実的にクリアするのは難しい。業界側はこうした変更を必須と考えているが、実際のところ議論の時間はほとんどない。4月21日にEU内での法的な手続きがクローズすると、その後、欧州議会、あるいは欧州理事会が覆さない限り法案は通過してしまう。嘆願書にはエネルギー大手のEnBW、Eon、Uniper、VNG、Equinor、Wintershall Dea、主要な公営事業社(Stadtwerke)、発電所メーカー、ドイツ連邦エネルギー・水道事業連盟、ドイツ産業連合などが署名している。出典: https://www.energate-messenger.de/news/210945/eu-taxonomie-nicht-nur-die-klassenbesten-belohnen…

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