Facts & Figuresドイツ風力発電
市場状況
2020年1年間にインストールされた風力発電機は陸上、洋上合わせて1341MWにとどまり、2018年以降連続で2000MWを下回る結果となった。ドイツの風力発電機は2017年の5334MWを最高に2018年は2402MW、2019年は944MWと低迷している。特に陸上風力発電でエミッション(騒音など)による住民反対から建設認可が降りないことが原因している。2020年からは再エネ法による助成が満了する風力発電機が出るため、これらが停止すれば、容量の増大が見込めないばかりか大幅な減少も免れない。2021年一年間に助成対象を外れる発電機は4,000台あり、その発電容量は3,600MWとなる。政府はこうした風力発電機に対して再エネ法による助成を2年間延長することを約束した。しかしどれだけの事業者がこの制度を利用するかは今のところ不明だ。政府は助成期間が終了した発電機の撤去後に、より容量の大きい発電機を建設する場合(リパワーメント)、その法的プロセスを簡略化する方針も打ち出している。連邦風力発電協会は2021年、2,000MWから2,500MWの風力発電機が新たにインストールされると予測する。しかし専門家らは政府目標(2030年までに少なくとも65%の消費電力を再エネ電源により賄う)を達成するには、毎年4,500MWから5,000MWの拡張が必要であるとしている。ドイツ以外の風力発電所建設はパンデミックの影響も受けず好調であり、2020年は業界の記録を更新した。とりわけ中国には昨年一年で45GW分の風力発電機がインストールされた。これは世界全体 で昨年一年に稼働した風力発電機容量82GWの約半分を占める。アメリカはバイデン政権下で、2030年までに毎年30GWを洋上風力発電のキャパで補うとの計画を発表。欧州風力発電メーカーも強く海外を指向する。
風力発電機メーカーランキング
2020年に設置された風力発電機のメーカー別ランキングではVestasが一位であった。2019年に長らくドイツのトップであったEnerconからトップの座を奪還し、その後もトップをキープしている。世界市場のデータに目を移すと、ここでもVestasが一位を占めている。2位はSiemens Gamesa (現Siemens Gamesa Renewable Energy)、3位は中国メーカーのGoldwindである。尚、国内ランキングで7位であったVensys Energy AGはGoldwindを大株主とするドイツ企業である。